「オクトクロス」世界初の銀を使った抗菌効果の有る安全な農薬
(株)サトーセン伊藤新製品開発部長

「オクトクロス」は、銀の微細な粒子を繊維表面に 均一にめっきした世界初の銀農薬です。
布に銀メッキした農薬
ナイロン製の布の表面に銀を薄くメッキしたタオル状の金属銀剤。
土を使わず培養液が栽培層を循環して植物を養液栽培用として開発。
メッキ技術を応用した製品開発を進めていたサトーセンが少しずつ銀が溶出するメッキ方法の開発に努め、大阪府農林技術センター(現、食とみどりの総合技術センター)と共同開発、平成14年11月農薬として登録された。
特長
「オクトクロス」は、ナイロン繊維の上に銀を鍍金した抗菌資材で、水1tonに1枚を浸漬することにより、水中に一定量約30ppbの銀が溶け出て、病原菌等を殺菌する。
開発の経緯
農業分野で抗菌が必要か調査しますと水耕栽培で栽培される作物が細菌に侵され相当な被害が出ていることが判明しました。
水耕栽培では、農薬(有機殺菌剤)は残留の問題、環境中への排出で使用できず、手のうちようのないのが現状でした。
ナイロン繊維に銀めっきを施した「オクトクロス」がその用途で効果があるかについて大阪府立農林技術センターで試験を実施して頂くと、医療関連での試験結果の優秀性より予想通りの効果があることが判明し、水耕栽培で発生する各種病原菌の発生や繁殖を抑制する事が認められました。
● キュウリを用いて実用規模の試験を府農林技術センターで実証し、防除効果を実施し、収穫物に対する銀残留試験の調査から可食部分に銀の残留がないことを証明し、これらのデータを日本植物病理学会報に掲載しました。(平成10年:日植病報64、50-56)。
● この間、トマト、ミツバ等の養液栽培で栽培される主要作物の培養液伝搬性病害についていずれも防除効果のあることを、府農林技術センターで実証確認しました。
● オクトクロスによる防除効果は、根部へ銀皮膜を形成することによる病原菌の感染防止であることを報告(平成12年、Biosci.Biotcchnol.Biochom.,64,1515-1518)。
● 平成14年11月12日、金属銀剤「オクトクロス」としてキュウリ根腐病に対して農薬登録(登録番号20950)
特性
いままで銅、硫黄、亜鉛などの金属を利用した農薬はあったが、銀は農薬登録されたものがない。 (銀は銅の150倍の価格)
(ア) 銀は銅の1/200と極めて低濃度で殺菌効果が得られる
(イ) 人畜に対する毒性が少ない
(ウ) 環境への排出量が少なくてすむ
銀の抗菌性能
古代より銀は食器や箸などに使われてきましたが、その銀の器に保存した水は腐敗しないことが知られていました。
その水が胃腸病の予防になること、また古代エジプトでは傷口に銀板を当てると化膿せずに早く治ることも知られていました。
経験的に知られたことですが、この作用が明らかになったのはスイスの植物学者ネーゲリーが、銀などの微量の金属イオンに細菌類や藻類に対して増殖を防げる作用があることを発見したことでした。
銀の細菌に対する殺菌メカニズムは、銀から溶出するイオンが細菌の細胞膜に付着し、その結合部分で水素と置き換わります。
そのため細菌の代謝機能が阻害され、細菌の持っている生体機能が損なわれて死滅します。