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「着眼大局・着手小局 -総選挙後の政治、経済を読む視点-」
ジャーナリスト 間場和夫氏(元産経新聞編集局次長兼経済部長)


1.ぶれなかった世論調査
小泉首相の重大な後ろ盾は世論調査による高支持率。飯島秘書官のマスコミ対策。
RDD法に基づく電話調査 固定電話がほぼ全世帯に普及した'87年にスタート。
が、近年、電話帳に不掲載の傾向が出て掲載率60-70%。
'02年から電話帳に掲載、不掲載にかかわらず平等に抽出するRDD法を採用。
RDD法:Random Digit Dialing=乱数電話番号法

抽出フレームとして、全国の稼動中の局番(市外局番と市内局番の組み合わせ)を使う。
約1万8000。それぞれの局番で0000-9999の1万件の番号が存在可能。
つまり約1億8000万の電話番号から無作為に電話番号標本を選ぶ。

平均標本11万8000。調査前に自動判定システムで「使われていない電話」を除去。
平均的に6000件。これに一般世帯か事業所を分別調査して本調査へ。

ウエート調整→在宅の有権者数、家内の電話本数

★「有権者の縮図」有権者全員(統計理論では母集団)を調査しなくても、2千人程度の「一部分の人々」(標本)を調査すれば、ある精度で全体の意見を推し量れる。

★もちろん標本(一部分の人々)と母集団(有権者全員)が完全には一致しない。
この誤差をできるだけ小さくする努力


2.自民圧勝、民主大敗の背景
作家、永六輔[人を引き付ける話術のコツ]
「難しいことをやさしく やさしいことを深く 深いことをおもしろく」

筋をとおす一貫した主張。
なぜ郵政民営化に政治生命を賭ける男を2度の総裁選、3回の国政選挙で支持したのか。

リーダーシップと独裁。屏風の裏側(海外からの批判。
日本の統治権者が見えない)退路を断った進路、清廉潔白、造反議員の非公認宣言。

亀井静香、古賀誠、堀内光雄らの世論の読み違え。

責めるだけの造反派と野党。分かりにくい民営化賛成、法案反対。

4年問の小泉政治の全否定(タブーの課題に挑戦した男)。
有権者を愚弄する小泉マジック、催眠術論。


3.本当に財政危機なのか
日本国の貸借対照表(2003年度)

[資産]  [負債]  
金融資産441 国債など593
固定資産331将来の国民年金債務 
   公務員の給与・退職金227
   郵貯、簡保の保険準備金 
土地128   
合計900  820

今、政府の粗債務は730兆粗債務をGDPで割った比率は150%超。
が、政府はGDPに匹敵する金融資産を保有(欧米諸国は15-20%)。
純債務のGDP比率は60%前後。独、ユー口地域並。

財務省の「負債のかさ上げ」。
例えば'01年から地方自治体の下水道債務(67兆円)を政府債務に算入。
債務と見合いの固定資産があるのに、債務だけをカウントし、総額をかさ上げ。
さらに、'00年10月、将来の国民年金債務、公務員の給与・退職金、郵便貯金、簡易保険の保険準備金なども政府債務と見なし、「国は債務超過」だと発表。
が、批判が出て'04年9月、将来の国民年金債務、公務員の給与・退職金などは負債項目から外された。

間題は過去8年間、日本の名目GDPが実質GDPを下回り、政府債務が減らない最大の原因。
名目GDPが欧米諸国並に伸びていたなら、'04年度の税収は55-65兆円(現実は45兆円)になり、財政赤字の縮小、政府債務の減少になったはず。
財政危機とは、増税を実現するための財務省の演出では。


4.郵政民営化の財政再建への効果
過去の民営化による国の収入

 政府保有株の売却収入配当収入税収
NTT14兆4803億円1兆 533億円6兆8000億円
JR3社(東、西、東海)3兆7053億円3216億円2兆4576億円
日本たばこ産業1兆533億円1979億円9500億円
合計19兆2389億円1兆5728億円10兆2955億円

(NTT,日本たばこ産業は昭和60年度から平成16年度、JR3社は昭和62年度から16年度)

上記の国への収入は合計31兆1072億円。
多くが国債償還に当てられ、増える残高へ歯止め。

郵政民営化は政府の骨格経営試算では、民営化が始まる19年から完全民営化までの10年間の累計の税収は4兆3153億円。さらに完全民営化までに持ち株会社が政府保有株について3分の1を残して売却を認めており、NTTなみかそれ以上の効果が期待。

ただ国債全体(17年末の残高538兆円)の4分の1を保有する日本郵政公社は国債の最大の受け皿機関。
現在、約330兆円の郵貯・簡保が10年後に215兆円に縮小すれば、増加する国債は行き場を失い、長期金利上昇。
海外投資家5%、個人3.6%(保有率)。
国債の管理策は?

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