最近の近畿経済と中国との関係
近畿財務局経済調査課 課長 井上浩氏
○総括判断
企業の景況感・個人消費・設備投資・輸出・生産・企業収益・雇用・結論
○中国経済が管内産業に与える影響
○地域活性化等に向けた財務局の取組状況
○総括判断 管内経済は、緩やかに回復している。
先行きについては、上向き基調と見込まれているものの、原油価格の高騰や中国等海外経済の動向に留意が必要
今回の情勢判断のポイント
| 今回(17年10月) | 前回(17年7月) | |
| 総括判断 | 緩やかに回復している | 一部弱い動きが見られるものの、緩やかな持ち直しが続いている |
| 個人消費 | 総じてみると持ち直しが続いている | 総じてみると緩やかに持ち直している |
| 設備投資 | 前年度を上回る計画となっている | 前年度を上回る計画となっている |
| 輸出 | このところ上向きの動きがみられる | 全体では伸び率が鈍化している |
| 生産活動 | 拡大の兆しがみられる | おおむね横ばいの動き |
| 企業収益 | 通期では増益見通しとなっている | 通期では増益見通しとなっている |
| 雇用情勢 | 緩やかに改善している | 緩やかに改善している |
企業の景況感ー3期ぶりに上昇超に転じる
・百貨店販売額1 クールビズ効果や一部百貨店の売りつくしセールが好調
・百貨店販売額2 大都市圏の百貨店が牽引
・スーパー販売額 22ヶ月連続のマイナス。マイナス幅は減少
・個人消費(大型小売店販売額) 持ち直しが続いて入る
・コンビニエンスストア販売額 (店舗数増加)により堅調に推移
・家電販売額 薄型テレビ、ポータブルオーディオが好調
・乗用車新車登録台数 小型車や軽自動車が好調
・旅行取扱額 前年を下回る
・個人消費 総じてみると持ち直しが続いている
・設備投資 17年度は、全産業で13.3%増の計画 ・輸出 このところ上向きの動き
・生産 拡大の兆し
・企業収益 17年度上期は減益見込みとなるものの下期及び通期では増益見通し
・雇用 緩やかに改善
結論 <近畿経済の総括判断>
管内経済は、緩やかに回復している。
個人消費は持ち直しが続いている
設備投資は拡大 企業収益も前年度比増
輸出は上向の動き 生産は拡大の兆し
雇用情勢は緩やかに 改善
先行きについては、上向きの基調と見込まれているものの、原油価格の高騰や中国等海外経済の動向に留意が必要である。
豊富なデーターを図表、チャート等に依り詳細に説明がありました。
中国との経済関係が深い近畿経済にとって、中国経済の悪化や政治的・社会的なリスクの発生は大きな懸念材料となる。
現在、管内企業の中には中国一極集中の是正や国内回帰の動きがみられる。
○中国リスク別に見た各企業の懸念材料
(1)カントリーリスク(政治的、社会的、経済的な要因から生じるリスク)
・半日デモに象徴されるカントリーリスクは依然小さくない。
基幹業務の立地には慎重な判断が必要。(化学メーカー、日用品製造販売)
・中国から欧米等への繊維輸出に対する貿易摩擦の行方。(繊維機械メーカー、繊維組合)
・マーケットは今後も拡大を見込むが、不動産バブル、過剰投資の反動がいつ来るのか懸念。(電気機器メーカー)
(2)オペレーションリスク(中国では実際の事業運営において生じるリスク)
・海外企業の進出増加から労働者獲得競争が激しく、今後さらに賃金上昇や現地技術者、労働者の確保が難しくなる。(繊維組合)
・電機不足が続き、すぐに解消される状況でなく、生産量減少や納期遅延などの影響。(電機機器メーカー)
・中国では知的財産権の観念がなく、製造技術、工程の漏洩や、コピー商品が氾濫し改善の目処なし。(電気機器メーカー・ゲーム機器メーカー)
(3)人民元切上げ
・企業経営に与える影響は、プラス・マイナスの両面があるが、経済全体としては現時点で大きな影響なし。(経済団体)
人民元の切上げに関する当局調査結果:有効回答46社
回答社数:46
現状(2%)は影響なし:46
10%程度の切上げは大きな影響なし:32
10%程度の切り上げで大きな影響あり:9
その他・不明:5
○各企業の具体的な対応策
・中国への一極集中の是正。(チャイナプラスワン)
~ベトナム、タイ、インドネシアなどへの進出(非鉄金属、繊維組合他)
・技術流出防止のためブラックボックス化を図り、高度な基幹部分は国内回帰。(電気機器メーカー、機械メーカー)
・中国内での生産拠点の総合。(電子部品メーカー)
・人民元の変動変動相場制移行を想定し、現地の輸出入をドル建てに変更。(電気機器メーカー)
中国リスクの体系的な整理
カントリーリスク----政治--政治・社会システムの安定度(共産党ー党独裁)
| 対外関係(欧米 などとの貿易摩擦問題)
| 両岸関係
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|-社会--三農(農業、農村、農民)問題
| 雇用確保と失業問題
| 所得格差の拡大
| 腐敗・汚職問題
| 環境汚染の悪化
| 中長期的な少子高齢化Z(一人っ子政策の弊害)
|
|-経済--中国経済の持続的成長
政府のマクロ経済運営
インフレもしくはデフレ圧力
不動産バブル
金融システム改革(不良債権問題)
資本市場改革(証券市場の低迷)
為替制度改革(人民元切上げ問題)
恒常的な国家財政の赤字
国有企業改革
資源・エネルギーセキュリティーリスク--対日抗議行動--反日デモ、不買運動
|-治安悪化----黒会社、誘拐、盗難
|-新興感染症---エイズ、新型肺炎(SARS)、鳥インフルエンザ
オペレーションリスク--投資--不透明な政策運営、中央・地方の不統一性
| 経済法制度の未整備、恣意的な法制度の運用
| 会計制度・税制の不信及び運用の不透明性
| 技術流出及び不十分な知的財産権保護
| 運輸・電力などのインフラ問題
| 外資優遇措置の見直し
| 外資系企業及び地場企業との競争激化
| M&Aの増加に伴う統合、敵対的買い収
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|-生産--品質管理の困難
| 部品・原材料の現地調達の困難
| 限界に近づきつつあるコスト削減
| 輸入品に対する高関税、非関税要望
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|-販売--代金回収の困難
| 模造品の氾濫
| 在庫調整と需要予測の困難
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|-財務・金融・為替ー為替(円及び人民元の対ドルレート)の変動
| 金利の変動
| 資金調達・決済に関わる規制強化
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|-雇用・労働--人材(中間管理職・技術者)の採用難
労働者の質・教育レベル
賃金水準の上昇
労働問題(ストライキ、労働組合問題など)
ジョブホッピング