政治経済の動向を読む視点
ジャーナリスト 間場和夫氏
1、 情報の読解力を工夫する
(1) 思考の三原則「目先にとらわれずに長い目でみる」
「物事の一面だけを見ないで、できるだけ多面的、全面的に観察する」
「枝葉末節にこだわる事なく、根本的に考察する」
深く読み、深く聞き、深くたたく
(2) ハロー効果
(3) 着眼大局着手小局
(4) 崩れる3つのタブー
2、 安倍政権は人気を回復できるか
(あいつぐ失点)
(1) 郵政民営化造反組の復党
(2) 道路特定財源をめぐる骨抜き決着
(3) 公務員宿舎問題で辞任に追い込まれた本間政府税調会長
(4) 政治資金問題で辞めた佐田行政改革担当相
(5) NPO法人認証を巡る松岡農水相
(政治的な評価)
(1) 中国、韓国への電撃訪問
(2) 教育基本法改正、防衛庁の省昇格
(3) 平成19年度新規国債発行額、過去最大の減額指示
(4) 予定調和外交からの脱皮
3、「3ず」の川の民主党
(1) 選挙の候補者を決められ「ず」
知事選、政令指定都市の市長選は自民党と相乗りせずの方針。
官製談合、汚職であいつぐ保守系知事逮捕。
チャンスなのに和歌山(昨年12月)、山梨、愛媛、宮崎(1月21日)とも不戦敗。
参院選を政権交代の戦いとし、「その帰趨を決める」と小沢党首が全力を上げて来た全国29の1人区。
知事選不戦敗の4県とも1人区。
4月の首都決戦、 東京都知事選も顔が見えない。
(2) 政策もぱっとせ「ず」
12月18日、基本政策として「政策マグナカルタ」を決めた。
同時にTVCMとして小沢、菅、鳩山3人衆の「生活維新」 看板政策の年金改革。
これまで年金の財源として消費税を3%引き上げるとしてきた方針を撤回、現行の5%を維持するとした。
財源の帳尻をどうするのか。
安倍自民党は消費税アップの議論を参院選後に先送り。
自民党への対立軸が見えなくなった。
共産、社民党との共闘を壊さないためという舞台裏。
さらに両党が反対する憲法改正、連合が嫌がる公務員改革にも触れていない。
「寄り合い所帯」の党内も含め、八方に気を配った末のあいまい政策が迫力を欠く。
(3) 支持率上がら「ず」
安倍内閣は郵政造反議員の復党問題などで、内閣支持率が急落。
ここは野党第一党の出番なのに各種世論調査では15-20%と低位安定。
日本世論調査会(共同通信社とその加盟社、有力地方紙38社で構成する世論調査の全国組織)。
昨年12月、男女3000人の面接による全国調査を実施。
「党首力」対決となる安倍、小沢の「どちらが日本のリーダーにふさわしいか」。
安倍(43%)が小沢(16%)を圧倒した。
安倍は自民党支持層の64%、公明党支持層の55%から支持。
一方、小沢は民主党支持層の37%、選挙共闘を模索する社民支持層でも27%。
男女別では安倍は女性44%、男性の41%から「リーダーにふさわしい」と。
小沢は男性で20%、女性は13%にとどまった。
年代別では安倍は年代が上がるとともに評価が上がる。
20-40代は30%台後半、70代以上は53%。
4、 増税か成長路線か
昨年12月5日、国連大学世界開発経済研究所(本部・ヘルシンキ)発表 2000年の世界の個人総資産は125兆ドル(約1京4368兆円)、世界のGDP(国内総生産)の約3倍。
うち、上位10%の富裕層が個人資産の85%を保有、さらにその最上位1%で40%を保有している。
逆に下位50%の人が持つ資産は全体の1%。
最上位1%に属する人の居住国は米国37%、日本27%、英国6%、フランス5%、イタリア、ドイツ各4%カナダ、オランダ各2%。
格差を示す指標「ジニ係数」で個人資産の偏在ぶりを数値化すると、米国約0・8、英国、フランス約0・7だったのに対し、日本は約0・5と格差は小さかったという。
現実の日本は、実感の伴わない「いざなぎ超え」、日銀の追加利上げ、サラリーマン増税、「景気は踊り場にある」の認識は共通項。
先行きの読みで見解が分かれる。
所得税,住民税の定率減税全廃だけで1年間に1兆円の増収。
一方、年金支払いは来年度でも1兆2000億円の増額。
企業の厚生年金半額負担の総計は20兆円、法人税18兆円。
高齢化、少子化に向けての税源確保をどうするか。
消費税アップか経済成長での税収アップか